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数値データを使って予知保全を行いたい

データの解析方法が分からない:数値データ編
すでにIoTを導入し、データはたくさんありやりたいこともあるのだけれど、どのように活用したら良いかわからないというご相談をよく伺います。とり貯めた膨大なデータを前にどのように解析、活用すべきかを戸惑うケースが多々あるようです。弊社ではこのようなデータを解析し、お客様の業務のより一層の効率化や品質向上につなげるような提案をさせて頂いております。

今回は住宅設備機器の製造を行っているお客様からのご相談事例を紹介いたします。

数値データの解析のご相談

お客様から頂いたご要望はある製品について耐久試験を行った際のデータをもとに、予知保全を行いたいという内容でした。予知保全とは異常が発生する前に対策を講じるという保全の手法をいいます。下記の図には架空の観測値を描画しており、異常発生前に観測値は大きな値を示すようになっています。このような観測値の変化は試験体の内外で機器が一部破損しているなどの原因が隠れている場合があります。その為、予知保全にはこのような予兆を検知できるような仕組みが必要となるわけです。

解析には試験体に設置した複数のセンサーから一定間隔で取得された数値データを用い、上記のような異常発生前に生じる予兆を探していきます。

予知保全に向けたアプローチ

予兆を定義する為に、以下の手法でアプローチを行いました。

  • 異常度を算出し異常検知の可能性を考察
  • 変化度を算出し予兆の有無を考察

異常検知の可能性の考察

予兆を定義する前に、まずは異常と正常を考えていきます。試験体が異常な動作をするまで計測を続けている為、ご提供いただいたデータセットの最後には異常データが存在しているのですが、試験体が正常に動作してると判断されていても、実は異常な数値を示している可能性を考慮していなければ誤った判断をしてしまう可能性があります。異常検知には線形回帰を用い、線形回帰の予測値からどれだけ離れているのかを異常度と定義しました。結果としては以下のような知見を得ることができました。

  1. 正常に稼働しなくなったタイミングで異常度の絶対値が非常に大きな値を示す
  2. 試験中盤に異常度の絶対値が比較的大きな値を示す時点が存在する

1つ目の知見については、線形回帰によって異常検知が可能であることが分かります。2つ目は試験に使用している設備の部品を一部取り換えたことによって大きな異常度を示したことが分かりました。このことは事前に共有されていたことではなかったため、異常度を用いて潜在的な異常を検知することができていたと言えます。

変化度を算出し予兆の有無を考察

連続した時系列データを扱う場合、特定の波形を示す場合があります。周波数や、振幅といったデータの振る舞いがどの程度変化したかを定義した値を変化度といいます。上記のような線形回帰によって算出された異常度は突発的なイベントには強く反応しますが、継続的に上記のようなデータの振る舞いが変わるイベントには反応しにくいという性質があります。変化度は振る舞いの変化を数値化し、異常度では検知しきれなかった試験体の状態を捉えることが可能になります。変化度を解析した結果、以下の知見を得ることができました。

  1. 異常度が大きな値を示すタイミングで変化度も大きな値を示す
  2. 試験終盤にかけて変化度が大きな値をしめす期間が継続している

1つ目については異常発生時は同時にデータの振る舞いも変化するので変化度も大きな値を示すことが確認できました。2つ目は原因となる外的要因も該当しなかったため、試験体内部に何らかの変化が生じている可能性があるという結論に達しました。時系列的には異常動作の前から変化度が大きくなっており、この時から試験体の一部が破損し始めているとすると異常発生に関係する予兆を捉えることが出来たと考えられます。

システム化へ向けた提案

今回はご提供いただいたデータからお客様のご要望である予知保全の実現可能性を解析結果から考察してきました。得られた知見にはお客様のご要望に沿うものとなったようで、大変ご好評を頂きシステム化への提案をさせて頂いております。今回はお客様のご要望を伺い、解析でも使用した変化度を定期的に計算し、結果をファイルとして書き出す方針でシステム化を予定しております。
このように試験や業務において取得されたデータについても解析を行い結果の共有、システム化への提案を幅広くサポートさせていただきますのでぜひお手元に活用しきれていないデータをお持ちでしたらご相談いただければ全力でサポートさせていただきます。